2008年9月13日土曜日

9/13 Today モンテーニュ没 (1593)…西洋版『菜根譚』を書いた人

ミシェル・ド・モンテーニュ - Wikipedia: "ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ(Michel Eyquem de Montaigne [miʃɛl ekɛm də mɔ̃tɛɲ], 1533年2月28日 - 1592年9月13日)は16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者。モラリスト、懐疑論者、人文主義者として知られる。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた主著『エセー』は、フランスのみならず、各国に影響を与えた。"




彼はこの書物は自分の家族のために書いたとしているように、父親から子供に引き継ぐ人生の知恵といった性格が強い。処世訓がいっぱい書いてあるのだ。敢えて白黒の判別をせず、結論を出していない問題も多い。人生というのは割り切れるものではないからである。

そういった処世訓的なところが「PC(ポリティカリー・コレクト)」な人にとっては狡賢いと見えるようで、今時のインテリにはあまり人気のない本である。中国に『菜根譚』という本があるが、あれと同じようにある程度歳をとってから読むと大いに納得する部分が多い本なのだ。

歴史の勉強にもなる。アレキサンダー大王がガザに攻め込んでどんな残虐無道のことをやったのかも、いきなり最初の章で書いてある。それも尊敬の念を込めて。モンテーニュにとっては、すべての事柄は善悪とは関係のないものであり、彼の関心は、すべての出来事の、その結果に至る過程から、世の中の教訓を引き出すことにあったからだ。

この意味において、プラグマティズムの権化の人(つまり人間そのもの)とも言えるかも知れない。極悪非道の暴力も専制君主もなんでありの人間世界は、そこで生き続けなければいけない以上、我々はそれをあるがままに理解し、そこから現実的な解を見つけ出すべきなのである。

エセー〈1〉エセー〈1〉
Michel de Montaigne ミシェル・ド モンテーニュ 宮下 志朗

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